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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第7章 新たな関係のはじまり
「だから、永河への愛だよ」

ぞわっ! 

全身に一気に鳥肌が立った!

「なっ、どっ、どうしたの? あまりの暑さに、頭やられた?」

「…お前、本当に言うようになったよな。そもそもオレが好きでもないヤツを、側に置くと思っていたのか?」

「だって…僕は僕に自信がないし。そもそも紗神に愛を言われたことなんて、今まで一度もなかったじゃん」

「でも好きだとは言っただろう?」

「…言ったっけ?」

「言った。はじめてセックスした時」

「言ってない! 僕に好きかと聞いただけ!」

「アレ? そうだったっけ?」

くぅっ! 

…あの時せめて好きって言ってくれれば、こんなに思い悩むこともなかったのに。

「でも好きかと聞いて、『両想い』って言っただろう?」

「『好き』にはいろんな意味があるの、知らない?」

嫌味たっぷりに言うも、紗神は肩を竦めただけ。

「何だ。オレはあれから素直になっているし、てっきり両想いだって通じているのかと思ってた」

…わぁ。分かっていたことだけど、この人、信じられないぐらい自意識過剰だぁ。

「それじゃあ改めて言うよ」

彼の手には、いつのまにか金の指輪があった。

それを素早く僕の左手の薬指にはめた。

「なっ、ちょっと!」

「愛しているよ、永河」

信じられないぐらい甘い言葉を囁くと、キスしてきた。

触れるだけの、軽いキス。

だけど…今までで一番優しいキスだった。

「永河は? オレのこと愛しているよな?」

僕は自分の顔が赤くなるのを感じた。

答えなんて、一つしかない。

「…うん。愛してるよ、紗神」
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