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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第2章 一年前、関係のはじまり
…その考えは全く逆だとは、一年経った今でも言えない。

何がキッカケで、彼が僕を抱きたいと思ったかなんて分からない。

彼に誘われたのは夏休みだった。
 
その頃はテストや体力測定など、いろいろなことが終わってほっとしていた時だった。

だから油断していた。

気が抜けていた。

終業式が終わって帰る前に、呼び止められた。

「明日、オレんちに遊びに来ない?」

「新真くんの家に? 確か一人暮らしだったっけ」

「そう、マンション暮らし。一人じゃ寂しくってさ。ご飯とかも味気なくて。良かったら来ない?」

僕も一人暮らしがちょっと寂しかった。

それに彼に声をかけられて、嬉しかった。

舞い上がっていた。

彼の周りには男女問わず、常にたくさんの人がいた。

それにカリスマ性が強く、先生達ですら彼の言うことには逆らえなかった。

学校の支配者になっていたと言っても過言じゃない。

彼は強く、美しい。

従うことを喜びとしてしまう人が多くてもしょうがない。

そんな彼に遊びに誘われたということが、嬉しかったんだ。

次の日、駅で待ち合わせをして、彼のマンションへ行った。

けれどその大きさと広さと豪華さに、眼が丸くなった。

高級住宅地にあって、それでもなお目立つマンション。

僕は二階があるマンションの部屋に、生まれて始めて来た。

「…噂には聞いていたけど、スゴイ所に住んでるんだね」

「そうかな? 親父がオレが住むようにって建てたマンションなんだ。実家の方が大きくて広かったし」

…想像つきません。

ここより大きくて広い家なんて。

そもそも僕の実家なんて二階がある一戸建てだけど、ヘタすればここより狭くて小さいかも…。

「でっでも確かにここに一人じゃ寂しいかもね。誰か泊まりにとか来ないの?」
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