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フリマアプリの恋人
第4章 芍薬の涙
…三度目のセックスののち、二人とも抱きあったままベッドに倒れ込み…そのまま眠り込んだのは夜明け前であった。

…澄佳は、柊司の温かい腕の中で目覚めた。
不規則なぱらぱらと奏でる音で目が覚めたのだ。
…聞こえたのは、窓に当たる雨垂れの音だった。

…道理で薄暗い筈だ。
部屋の時計は九時を指していた。


「…雨だわ…」
男の胸に頬を擦りよせ、そっと独り言を呟く。
「…うん、雨だ…」
…寝ているかと思った柊司は起きていたようだ。
端整な眼を閉じたまま、澄佳を抱き寄せた。

澄佳は、小さく微笑う。
「…起きていたの?」
「今起きた。
君が僕の腕の中にいて…夢かと思ったよ」
…でも…夢じゃなかった…。良かった…。
そう言って、胸に抱き込んだ。

…こんなに幸せな気持ちで目覚めたのは、初めてだった。
「…幸せ…」
素直に感情を口にする。
…不思議だ。柊司の前だと、素直な自分でいられる。

「僕もだ。…こんなに綺麗なお姫様が僕の恋人だなんて…」
…恋人…。
さらりと言葉にされて、全身が熱く熱を帯びる。
…私が柊司さんの恋人…?
まだ、信じられない…。
…黙り込んだ澄佳を、柊司は優しく覗き込む。
前髪が無造作に額に落ちかかり、整い過ぎた美貌が若々しく甘い印象になる。
…そんな柊司も魅力的で、胸が苦しくなる。

「どうしたの?澄佳さん」
澄佳は首を振り、男の裸の胸に貌を埋める。
「…何でもない…」
この幸福に、ひたすら浸りたい。
…今は、とにかく溺れたい。

澄佳は長い睫毛を瞬かせ、柊司を見上げ甘く尋ねる。
「…今日、どうします?」
「今日?」
男が澄佳の髪を撫でる。
「…ドライブして…渓谷に行こうかと思っていたんだけど…雨だから…」
「…そうだね…雨だ…」
その指が、澄佳の素肌を辿りだす。
「…だから…水族館…なら楽しめるかも…」
柔らかく乳房を掴まれ、吐息が乱れる。
「水族館か…。楽しそうだけど…」
優しい声のまま、しなやかに組み敷かれた。
大人の色香を含んだ眼差しで見つめられる。
「…こんなに綺麗な人魚姫がいるから、水族館はまた今度にしよう…」
「…柊司さ…ん…」
脚を開かれ、もう既に馴染んだ男の身体の重みを甘いため息と共に受け入れる。

…まだ目覚めきっていない身体は、あっと言う間に快楽の蜜に蕩けた…。

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