この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…高級老舗ホテルのロビーは広い。
クラシカルな琥珀色のシャンデリアの光のもと、澄佳は片岡の姿を探す。
ロビーの奥、低めの階段を数段上がった先に庭園に面したゆったりとしたコーヒーラウンジがあった。
…そのテーブルのひとつに、片岡と女性…そして同年代の男女が席に着くところだった。

澄佳はそっと気配を消し、他の客たちに紛れて片岡たちのテーブルの後ろのソファ席に背中合わせに座った。
…幸い、片岡たちのテーブルの背後には大きな観葉植物があり、澄佳の姿をすっぽりと隠してくれた。
ラウンジの奥にはグランドピアノがあり、ドレスを着たピアニストが優雅にグレンミラーのムーンライトセレナーデを奏でていた。

僅か1メートル離れたところには片岡がいる…。
澄佳の心臓は破裂しそうなほどに激しく鼓動を刻む。

白いブラウスに黒いスカートを身に付けたウェイトレスが慇懃にオーダーを取りに来た。
「…ホットコーヒーをお願いします…」
声が片岡に届かぬように小声で囁く。
「かしこまりました」
ウェイトレスは澄佳を不審に思う様子もなく、恭しくお辞儀をして去って行った。

澄佳は自分の服を見下ろす。
…ベージュのコートにオフホワイトのカシミアのセーター、ブリティッシュグリーンのタータンチェックのロングスカート、焦げ茶色のショートブーツ…。
…上質なものだが外出着とは言えない。
買い物だけのつもりだったので、軽装で来てしまった…。
ラウンジの煌びやかな服装や着物姿の人々の中、明らかに浮いているに違いない。
惨めさに拍車が掛かる。
…そんな関係のないことをぼんやり考えていると、背後のテーブルから話し声が聞こえ始めた。

…澄佳は身を縮めて耳を澄ませた。
/332ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ