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第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜

指定されたカフェで澄佳は宮緒を待つ。
カフェに座り、周りを見て初めて気づいた。
…世間はクリスマスなのだ。
幸せそうなカップル…家族連れ…どの人々の貌も浮き浮きと楽しそうに輝いている。
…私は…何をしているのだろう…。
自分の惨めさが身に染みる。

…と、彼はやがて現れた。

…黒いタートルネックのセーターにダークグレーのスリムパンツ、濃紺のダッフルコートというカジュアルな出で立ちはまるで大学生のように若々しく見えた。

「澄佳さん、どうしたのですか？
何があったのですか？」
澄佳の前に座ると、心配そうに眉を顰めた。

宮緒の貌を見た瞬間、それまでの緊張が一気に解け…澄佳は涙をはらはらと零し俯いた。
「…私…どうしたらいいか…分からなくなってしまって…。
でも…早くしないと…私…」
その表情で何かを察した宮緒は、テーブルの上のレシートを手に取ると、立ち上がった。
「…出ましょう。
…私の車の中で話しましょう」