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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
カフェから少し車を走らせ、宮緒は人気のない公園の路肩に車を停めた。
「話してください。何があったのですか?」
助手席の澄佳をじっと見つめる。
澄佳が震える声で語り始めた。
「…私は…片岡さんを愛しているけれど…あのひとの子どもを産む道具じゃない…。
愛人だから…我慢しなくちゃならないの…?
…片岡さんと結婚できないのに、子どもを産むのは嫌です…。
…子どもを生まれた時から不幸にしたくないんです…。
…宮緒さんにこんなこと言うなんて…無神経ですよね…。
ごめんなさい…」
詫びる澄佳にすぐさま首を振る。
「そんなこと…当然ですよ。
義兄は…社長は貴方に…そんなことを…?」
澄佳の膝に置いた白い手に透明な涙が落ちる。

羞恥に震える小さな声が聞こえた。
「…昨夜…片岡さんに抱かれました…。
…それで…もし…子どもが出来たら…て考えたら…怖くて…。
奥様がいることが分かったのに、子どもを産むことなんて出来ません。
私の子どもが誰かに恨まれるかもしれないなんて…。
そんなの嫌です…。
…でも…どうしたらいいのか…」
宮緒の端正な貌が苦しげに歪む。
ハンドルを握りしめる手に力が入る。
…ややあって冷静さを取り戻し、静かに口を開く。
「…大丈夫です。ご心配はいりません。
アフターピルを処方してくれる婦人科に行きましょう。
休日でも診察してくれるクリニックを探します」
「…アフターピル…?」
涙に濡れた白い貌が宮緒を見上げる。
…まだ二十歳の澄佳は避妊の知識も浅い。
その幼さが残る美しい貌を宮緒は優しく見つめる。
「望まぬ妊娠を避けるための薬です。
…子どもは祝福されて生まれるのが幸せなのです。
躊躇う必要はありません。
…アフターピルは早ければ早いほど有効です。
…ご安心ください。私もご一緒します」
その美しい瞳に涙を湛えながら、澄佳は唇を震わせる。
「…本当に…?」
宮緒は穏やかに微笑む。
その長く綺麗な指を伸ばし、頬を濡らす涙を愛おしげに拭う。
「…私は澄佳さんをお守りいたします。
貴女が不幸にならないように…。
それが私の貴女への愛です」




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