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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…あの日以来、澄佳は片岡に従順に従い、健気に尽くしていた。
片岡の言葉に背くこともなく、不満を漏らすこともなかった。
片岡の愛人に立場ということを受け入れ、密やかに控えめに暮らしていた。

片岡の為にできることは何でもした。
…食事の世話、衣類の支度、仕事がしやすいように環境を整えること…。
さながら本妻がするような仕事をきめ細やかにやってのけた。
…それらのことに打ち込むことが自分の生き甲斐だと自らに言い聞かせるように…。

…夜の営みも同様であった。
片岡が要求することにはすべて応えた。
どのように淫らな要求にも、澄佳はしなやかに艶やかに応えて見せた。

…「澄佳は変わったな…。
どんなにいやらしい姿も晒して…感じてみせて…。
身体も随分淫乱に熟れてきた…。
まるで高級娼婦だ…」

片岡は低く笑った。
楚々とした美貌に似つかわしくない淫らな身体…。
片岡は執着し続けた。


…けれど、子どもはできなかった。
澄佳は密かに婦人科に通いピルを飲み続けていたからだ。

「…俺は君との子どもが欲しいんだ。
なぜできないのかな…」
失望したようにため息を吐くようになり…やがてほかに愛人を作るようになった。
…他の女との愛人関係は短いスパンで終わる。
最後には澄佳の元に戻ってくる。

…けれど、片岡の澄佳に対しての感情が微妙に変わりつつあることを、澄佳は認識していた。




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