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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…冷たい…氷よりも冷たい手が澄佳のうなじに触れる。
「貌?身体?
ねえ!教えてよ!
私のどこがいけなかったの⁈
貴女なんか…貴女なんかどこがいいのよ!
私を蔑ろにして!
馬鹿にして!
せせら嗤っていたんでしょう⁈」
「…そんなこと…ありません…!」
執拗に捉えようとする麻季子の蛇のような手から逃れようと身を攀じる。
「嘘よ!貴女は私を嗤っていたんだわ!
夫に愛されない哀れな妻…可哀想に…て。
…私は貴女を憎んでいるわ。
直人さんが貴女を捨てたからって許さない。
だっていつあのひとがまた貴女のところに戻ってくるか分からないもの。
…性悪な泥棒猫は今のうちに始末しておかなくてはね…」
壁際に強く押し付けられ、麻季子の冷たい両手が澄佳の首をじわじわと締め付ける。

…殺される…!
背筋が凍るような恐怖が湧き上がり、必死で抗う。
「…やめて…ください…!奥様…!」
「許さない…!許さない…!
貴女は私から直人さんを奪ったのよ…!
私が…この五年…どんな思いでいたか…思い知るがいいわ…!」
麻季子の細い手に凄まじい力が加わる。
気管が狭まり、息ができない。
苦しさのあまり闇雲にもがく。
「…貴女なんか…貴女なんか死んでしまえばいい!
死んで!死ぬのよ!
もう二度と直人さんの前に現れないで!」

…頭の中に白い靄が立ち込める。

…ああ…私は…こんなにもこのひとに恨まれていたのか…。

苦しさと朦朧とする意識の中、麻季子の途方も無い憎しみと怒りが強く染み込んでくる。

…そうだ…。
他人の夫を盗んだのは私なのだ。
知らなかったとはいえ、止めることもできたのに…。
…憎まれて当然のことを、私はしたのだ。
…殺されても…仕方ないことを…。

抗う手が止まり…力なく、くたりと落ちる。
麻季子の手の力がふっと弱まる。

身体から力が抜け、そのまま床に倒れこむ。

…薄れゆく意識の中、ドアを激しく叩く音と…澄佳の名を呼ぶ声が聞こえたような気がした…。



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