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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
「それは違います!澄佳さんのせいではありません!」
宮緒が頑なに首を振った。
「貴女は悪くない。
悪いのは社長です。
妻である麻季子さんを蔑ろにし、貴女を騙した。
社長の罪なのです」

澄佳は力なく否定した。
「いいえ…。それは違うわ。
…私は…気がつかない振りをしていたのよ…。
麻季子さんの苦しみに…気づかない振りをして…自分だけが可哀想だと思い込もうとしていた…。
…私はもう大人なのに…。
自分で人生を選択しようとすれば出来たのに…。
あのひとから離れたくなくて…独り占めしたくて…麻季子さんの苦しみを考えようともしなかった…。
…バチが当たったのね…」

澄佳の白い頬に透明な涙が溢れ落ちる。
貌を覆う澄佳の震える白い手を引き寄せ、唇を付ける。
そして熱い想いを吐露するかのように掻き口説いた。
「貴女は悪くない…!仕方のないことなのです。
自分をそんなに責めないでください」

握りしめた手を離さずに宮緒は澄佳を見つめ、静かに語りかけた。
「澄佳さん。お願いがあります。
…僕と、結婚してください」

握りしめられた白い手がびくりと強張り…閉じられていた澄佳の瞼が震えながら開かれた。
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