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フリマアプリの恋人
第2章 鈴蘭のささやき
瑠璃子に頼まれた澄佳という出品者のページを開く。
…相変わらずsold outの斜線が引かれた商品ばかりが並んでいる。

…そんなに人気の商品なのか…。

…「澄佳さんの商品はいつ出品されるか分からないし、出品されたら直ぐに売り切れちゃうから、なかなか買えないんだよ」
瑠璃子の言葉を思い出す。

「…ふうん…。素人のハンドメイドがねえ…」
独りごちながら、なんとなく澄佳のプロフィールに飛び、読み始める。


「…付け心地の良いイヤリング、普段使いいただけるネックレスなど、世界にひとつだけしかないアクセサリーを丁寧に愛情を込めて手作りしております。
学生の方にも気軽にお買い求めいただけますように、お安く提供させていただいております。
すべて手作業でお造りしておりますので、たくさん出品できないのですが、もしお気に召しましたらどうぞよろしくお願いいたします」

シンプルな自己紹介のみであったが、さりげない心配りに好感を持つ。

改めてもう一度、商品を見ると確かに安い。
イヤリングは500円で、しかも送料込みだ。
ネックレスですら700円という安さだった。

ハンドメイド商品の相場は知らないが、材料費もそれなりに掛かるだろうに、これで元は取れるのだろうかと心配にすらなる。

また、安かろう悪かろうではないかと疑いたくなるが、瑠璃子の話だと、品質も良いらしい。
商品写真をアップにして見ると、ガラス細工の鈴蘭のイヤリングはとても品良く、作りも丁寧そうだった。
写真も綺麗に撮影されている。
背景の小物使いもセンスが良い。

何枚かアップされた写真を見る。
…最後の一枚は、女性らしき人の手が商品のイヤリングを持っているものだった。

…透き通るように白く細く繊細な指先であった。

…「…綺麗な手だな…」
綺麗なだけでなく、清潔感と温かみを感じる優しげな手であった。
…何かを物語るような、情感がある美しい手…。

柊司はしばし、その画像に見惚れた。

女性の手に見惚れたのは、由貴子以来のことだった。
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