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フリマアプリの恋人
第2章 鈴蘭のささやき
パソコンを閉じ、時計を見る。
…もう1時か…。
来月の学会への資料を纏めていたらこんな時間になってしまった。
冷えたコーヒーを啜り、ふと思い出してフリマアプリにアクセスする。
…こんな夜中に、出品があるとは思えないが…。

…と、思わず目を見張る。

澄佳の出品メールが届いていた。
急いで商品ページを開く。

…あった!鈴蘭のイヤリング!
まだ売り切れていない!

柊司はやや興奮しながら購入ボタンを押し、カードで支払いを完了させる。
無事に決済されるかどきどきしながら見守る。

…やがて…
「購入が完了しました。発送をお待ち下さい」
のメッセージが届く。
…やった!買えた!
自分でも予期せぬほどの高揚感に包まれる。

「…やっと買えたよ…」
思わず独り言を漏らす。

…瑠璃子、喜ぶだろうな…。
瑠璃子の嬉しそうな表情が目に浮かび、自分まで幸せな気分になる。
その気持ちのまま、アプリを閉じようとしてふと画面を見ると、商品のコメント欄に
「出品者に挨拶をすると、スムーズなお取引ができます」
と事務局からの言葉が並んでいた。

…なるほど…。

挨拶は大事だな。
貌の見えない取引だもんな。

柊司は少し考えて、スマートフォンで文字を打つ。
「初めまして。
この度はお世話になります。
どうぞよろしくお願いいたします」
…文章を読み返しこのまま送信しようとしたが少し考えて…

「…実は妹のために購入させていただきました。
妹は澄佳様の作られるイヤリングが大好きでずっと憧れておりました。
ですので今回、購入できて本当に良かったです。
妹は大変喜ぶと思います。
それではどうぞよろしくお願いいたします」

…フリマアプリでのやり取りで普通こんなことを書くのかどうか分からないが、とにかく今の気持ちをストレートに伝えたかった。

もう一度読み返し、思い切って送信ボタンを押す。

…大仕事を成し遂げた後のように、柊司は大きなため息を吐いた。




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