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第8章 epilogue

「…もうこんなに…」
…愛おしげに、男の指が澄佳の花陰のあわいを辿る。
「…んんっ…いや…あ…」
両腕を捕らえられたまま、身を攀じる。
「…澄佳はよく濡れるね。
素直な可愛い身体だ…」
耳朶を甘噛みされ、鼓膜に囁かれる。
「…ああ…っ…ん…っ…！」
柊司の長く美しい指が花陰の奥に進み、蕩ける蜜を滴らせる淫肉を愛撫する。
「…あ…ああ…いや…あ…っ…んん…」
直接淫らな肉に触れられ、澄佳は華奢な身体を震わせる。
「感じやすいね…。
…こんなに濡れて…」
…そんなに僕が欲しかった…？
優しい男の意地悪な言葉…。
思わず貌を背けるのを、柔らかく止められる。
顎を捉えられ、貌を上げさせられる。
柊司は普段穏やかで上品だが、閨に入ると人柄が豹変したかのように、大胆に…そして執拗になる。

澄佳は涙ぐみながら、柊司を見上げる。
「…欲しかったわ…貴方が…」
…貴方に、抱かれたかった…。
羞恥に消え入りそうになりながら答える澄佳の唇を優しく奪う。
「…僕もだ…。
君に会えない平日は一日千秋の思いだよ…」
…そうして、生まれたままの姿の柊司は、硬く兆した牡を澄佳の淡い茂みに押し付けた。
「…あっ…」
「澄佳が欲しくて、こうなってる…」
熱く硬い牡がゆっくりと抽送運動を始める。
「…んんっ…」
思わず、腰が淫らに揺れる。
…その熱さ…皮膚の滑らかさ…そして、その鋒の雄々しさ…。

澄佳の瞳が潤み、男を見上げる。
長い睫毛が瞬き…唾液に濡れた美しい唇から微かな声が漏れた。

「…ねえ…させて…」
柊司の涼やかな眼差しが驚いたように、見開かれる。
「…させて…柊司さんの…を…」
夜の海よりなお深く黒い瞳が、淫蕩に煌めいた。