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フリマアプリの恋人
第2章 鈴蘭のささやき
「よう、色男。来てたのか」
診療室を覗くと、男はふざけた言葉を繰り出し、にやりと笑った。
親友の森健斗は、この病院の医局長である。
リーダーとして多くの人を纏める力もある。
医師としての見立ても的確だし、治療方針も患者たちにきちんと説明し、しかもそれは功を奏するものばかりだから、患者たちは元より同僚の医師たち、そしてナースたちからの信頼も厚い。
全体的に滲み出る呑気な雰囲気と、明るい自信に満ちた様子も人望を集めるのだろう。
けれどどこかふざけたところのある男で、ひとを食ったようなにやけた貌でいつも柊司を揶揄うのだ。

「…お前は相変わらずだな…」
苦笑いする柊司に健斗は椅子を勧め、コーヒーを淹れに立つ。
「いやいや、お前には敵わないさ。
…あんな美人のお義母さんと長年一緒にいて、よく妙な気を起こさないものだと、つくづくお前の忍耐強さに感心しているよ」
際どい冗談を言うのも相変わらずだ。
「また下らない冗談を…。お前は未亡人に下品な妄想を抱きすぎなんだよ」
コーヒーを受け取りながら健斗を軽く睨む。
「そりゃ抱くだろう。あれだけの美人だ。
清楚で上品で禁欲的で…そこが逆に色っぽい。
由貴子さんには、匂い立つような凄絶な色香が溢れている。
俺なら据え膳、食っちゃうなあ…」
「お前はバカだな、やっぱり」
呆れながら、コーヒーを啜る。
「…そりゃ母様は美人だ。僕も思春期の頃は憧れめいた感情を抱いたよ。
…でも…やはり母様は母様だ。それは変わらない。
僕は母様を汚すようなことはしたくないし、これからもしない。
父様を裏切るような真似もね」
自分に言い聞かせるように…しかし、決して強がりではない言葉が溢れ出たのだ。

健斗が、おや?…と言うように目を見張った。
「…お前…好きな女でも出来たか?」
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