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異聞 ヘンゼルとグレーテル
第5章 4
 目の前で揺れるしとどに濡れた小さな花弁。始まりにある幼い花芯を紅く腫らし、ヒクヒク震えて魔女を:誘(いざな)う。

 あぁ、何と可愛いのだろう

 魔女がクックッと嗤う。嫉妬の炎はとうに収まっていた。今はただ、グレーテルが可愛く、愛しくて堪らない。もっと善がり啼かせて果てさせたい。自分が味わう事より、グレーテルを良くする事を望んでいる自分に魔女は気付いていなかった。
「あぁっん、やっ、やだっ、や、だぁっ」
 紅く色付く花弁とプックリと腫れた花芯を魔女の薄い唇と舌とに捏ねられて。強く、柔く吸い付きジュルジュルと音を立てて愛蜜を啜られる、その甘い衝撃にグレーテルは咽び啼いて身体を震わせた。続け様に狭い秘裂を押し分け、長い舌が奥へと滑り込んでいく。
「ひっ……やぁあっ!」
 弱い所をこそげて蠢く熱い舌にもたらされる強烈な快感。息の上がったグレーテルの目前は白く弾け、幼い身体が小刻みに跳ね上がる。素直に感じて震える:様(さま)に魔女は口角を引き上げ、ほくそ笑んだ。
閨に響く淫らな水音と甘く蕩けた高い声。
機嫌を良くした魔女に執拗に責め立てられ、逃れようと足掻いていた小さな爪先に力が入る。
「んん、やっ、ごっしゅじんさっまぁ……あぁぁん!」
 シーツを蹴る様に足を突っ張らせたと思うと、高みに突き上げられたグレーテルはガクガクとその身を震わせ、一際高い声で啼いて崩れ落ちた。
蜜を啜る音が止まる。上体を起こした魔女が僅かに目を見開いてグレーテルを見下ろしていた。
達するその:際(きわ)に呼ばれるとは思ってもいなかった。
乱れた褥の中、しどけなく横たわる小さな身体。気を失った横顔は涙に濡れ、上気したままの頬と言い、少し開いた口元と言い、幼いながらも艶やかな色を醸し出す。予定とは大幅に違うが、今グレーテルを食せば極上の味わいを悦しむ事が出来るだろう。そうすればヘンゼルを食す時にも悲哀のスパイスが効いた絶妙な味わいを得られる事は想像に難くない。
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