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歳下の悪魔
第8章 切なさと思い
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「嫌っ!」
ベッドから走り、和真にしがみつく。
「優華?」
「嫌っ。嫌ぁっ!!」
自分でも、全身が震えているのが分かる。
「優華? どうしたの?」
「嫌……」
何故か、それしか出て来なかった。
「浩輝は、優しくしてくれるよ?」
顔を上げると、ベッドから戻った浩輝が服を着始める。
「オレじゃ、ダメだったみたいだね」
「優華、どうしたんだよ」
私は、俯いて首を振った。
「お前、バカだなあ。分かんないのかよ。じゃ、帰るわ。またよろしく」
「あ、ああ。悪かったな……」
ドアの閉まる音が聞こえ、私は和真から離れた。
頭を撫でると、和真はベッドの隅から持って来たバスローブを着させてくれる。
「呑もうか。はい」
氷が解けて薄まった中身を浩輝のグラスへ入れ、薄めの新しい水割りを作ってくれた。
「ありが、とう……」
私が少しだけ口をつけると、和真は自分のグラスを空け、ウイスキーと氷だけを足している。
「初めて、会ったせいかな。浩輝は、いいヤツだよ」
確かに、愛撫は優しかった。考えてみれば、いきなり拘束してきた和真よりも優しい。
「私……」
何故か、涙が出そうになる。
「いいよ。怒るようなヤツじゃ、ないから……」
「ごめんな、さい……」
「優華? どうして泣くの?」
自然に涙が溢れていた。
私は、何がしたいんだろう。
拘束もバイブも、今は好きと言える。最初は、あんなに嫌だったのに。
グラスを空け、自分で水割りを作る。
「呑みすぎると、また酩酊するよ」
「いいの……」
歓迎会の時に酩酊状態だった私を送り、和真とセックスしてしまった。
それが、全ての始まり。
また飲み干し、水割りを作る。薄めの上氷も解けるから、ウイスキーの味がほとんど無い。
「浩輝は、怒ってないから。たまに、あるんだ。紹介した子に、いざとなって拒まれること……」
「私は……」
「気にしなくていいよ。呑みたいなら、呑めばいいよ。酩酊したら、ここで寝ればいいし」
和真にも、迷惑をかけてしまった。
私が挿入したいと言ったから、セックスする相手を見つけてくれたんだろう。
「和真は……」
「ん?」
言ってから、誤魔化すように呑んだ。
酔っ払いの、たわごとだと思って欲しい。
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