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歳下の悪魔
第8章 切なさと思い
彼の言葉が、信じられなかった。
「優華は地味目のワンピースだったけど、それでも、凄く可愛く見えた……。対応もよくて、性格も良さそうだったし……」
確かにあの時は地味にした方がいいと思い、その為にワンピースを買った。
一年前だから、それくらいは覚えている。買いに行ったのも、美月と一緒だったし。
「本当、に……?」
「ああ。たまたま優華と近いマンションだって知った時は、絶対に、運命だって思った……」
お互いに黙ってしまい、2人ともグラスを空ける。
氷の音が、やけに大きく聞こえた。
和真が私のグラスを引き寄せ、2つ分の水割りを作る。
「優華。俺が好きって、本当……?」
ゆっくりと、頷く。
「好きだっていう子としか、したくないって、言ってたよね? じゃあ、どうして、私とは……?」
「俺のことを、好きだって言ってくれる子。もしかして、間違って、伝わってた? 俺、確かめたつもりだったのに。優華は、何にも言ってくれなかったから……」
そんな意味だとは、考えもしなかった。言葉のせいで、すれ違っていただけ。
たった三ヶ月でも、ずっと長い間のよう。
「でも、私は32歳で、22の和真からしたら、オバサンでしょう?」
「そんなことないよ。優華は、小柄で童顔だし。好きになったのは、俺が先だから。歳なんて、関係ない」
言葉が見つからない。
「優華は単に、挿入する、普通の、セックスがしたいんだと思ったから……。だから、浩輝を呼んだんだ……。見てるのはつらかったけど、見てないのも、嫌だったし……」
腕を引かれ、軽いキスをされた。
遊園地でのことを思い出す。
あの時が、和真の本当の顔。
無邪気な子供のようで、本当に楽しそうだった。