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歳下の悪魔
第9章 告白
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
「えーっ! 何でぇ? どうやって? どっちからー?」
「そんなことに、なってたん、ですか……」
いつもの居酒屋。
週末に、美月と守の4人で呑んでいた。
珍しく守がいるのは、この後一課の愛美も来るせい。
「俺から、告ったんです」
「ん……」
あの夜から一ヶ月が経った。付き合っている告白をすると、美月は大騒ぎ。守は呆然としていた。
勿論、瀬名製薬の御曹司というのは伏せて。
「こんばんは。遅くなりました」
愛美が来ると、守の正面を勧めた。彼女はニッコリとしながら、そこへ座る。
「守くんも、頑張ってね」
「えっ、そんな……。あ、愛美さん。何を、呑みますか?」
明らかに慌て、守の顔が紅くなっていた。
守は愛美が二課へ来ると、いつも一番のお出迎え。すぐ傍へ行き、普段無口なのが嘘のように話す。
「どうしたんですか?」
愛美は、それに全く気付いていない。
「聞いてよぉー。愛美ちゃん」
美月が私と和真のことを話すと、愛美も驚いている。
「そうだったんですか……。実は私、彼氏と別れたんです。一昨日。浮気してたから」
「それは、酷い奴ですね。僕なら、絶対に、浮気なんて、しないのに」
守の頑張りを、3人で見ていた。
愛美は守より一つ歳上。一つだけなら、そう関係ない。
「今晩は、祝杯だぁー!」
美月は勝手に盛り上がり、愛美のチューハイとつまみを色々と頼んでいる。
多分月曜には、部署中が知っているかもしれない。部署だけならまだいいが、お喋りな美月は会社中に知り合いがいる。
女性の方が10歳上など、格好のネタになるだろう。
それでも構わない。そう思えるほど、幸せだから。
今日は美月のせいで酔った愛美を、守が送って行った。
あの2人も、上手くいけばいいのに。
自分が幸せだと、人のことも応援出来るようになる。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
捨てられてもいいと覚悟していた私でも、二年後の34歳に無事寿退社。和真も一緒に退社し、まずは父親の会社の総合研究室へ。私も別の研究部への配属となった。
守と愛美は一年前から付き合い始め、結構いい感じ。結婚も近そうな雰囲気。