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歳下の悪魔
第1章 後悔
「ちょっと待ってね」
和真は縄を解き始める。すぐに解け、私はそのままベッドに横たわってしまう。
「んんっ……」
楽になった体と頭に、色々なことが蘇る。
元彼のセックスは、いつも優しかった。その前の彼だって、初めての彼だって。
でも考えてみれば、和真は暴行をしたわけじゃない。縛ることがそれに値するとしても、もう警察などには言えなくなってしまった。
性的暴行を受けた場合、その内容をこと細かに話さなければならない。縛られてイってしまったなど、私にもそんな趣向があるように思われる。
服を着たままの和真が、添い寝するように抱きしめてきた。
「可愛かったよ。優華……」
私はグッタリとしていて、抗う気も起きない。
歓迎会の時、あんなに呑まなければ。
勧めてきた美月が悪いわけじゃない。彼女とは何度も呑みに行っていて、呑んでいる振りをすれば満足してくれる。
元彼のことを思い出し、ヤケになって呑んだのは自分自身。
和真は優しく髪を撫でると、私から離れた。
「今日は、ここまで。明日、仕事だからね」
持って来たビニール袋に荒縄を入れ、鞄にしまっている。
「じゃあ、ゆっくり休んでね」
それだけで、和真は部屋を出て行ってしまった。すぐに外から鍵の掛かる音がして、ホッとする。
縛ってイかせただけで、帰るなんて。この後、セックスをされるのかと思っていた。
彼のしたいことが、よく分からない。縛られた女性を見ているだけで、満足なんだろうか。
世の中には、色々な趣向の持ち主がいるだろう。それに偏見はなかった。お互いが同意なら、好きなことをすればいい。
今日は同意じゃない。
でも、そう言い切れるだろうか。結局は縄だけでイってしまった。和真からの、責められるような言葉も手伝って。
自分が情けなく思えてくる。
これ以上、和真のことを考えていたくない。
気怠い体で何とかバスルームまで行き、けがれを落とすかのように体中を洗った。
シャワーの最中に鏡を見ると、体に縄の跡が付いている。跡が着くほど強く縛られていたなんて、気付かなかった。
最初は恐怖だけだったが、そのうちに快感が押し寄せてきて。信じられないほど感じていたのは、紛れもない事実。