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歳下の悪魔
第1章 後悔
あんなもので、イかされるなんて。それも、10歳も下の同僚に。そして後を残されるなんて、屈辱でしかない。
体はよく洗ったが、縄の跡は暫く消えないだろう。
シャワーを浴びるたび、この跡に悩まされることになる。今日のことを、思い出して。
一番困るのは、手首。人の目に触れてしまう。今は、言い訳なんて思いつかない。
一週間ほど消えないだろう。大学の、人体の講義で習った気がする。
先々月までは、人生の全てが順調だった。
大学に入るために青森から上京し、子供の頃から大好きだった本格的な理系の講義。友達も彼も出来て、バイトと両立させながらも楽しい毎日。
卒業後は、無事に今の会社に就職出来た。私が入社した時既に食開二はあり、美月と一緒に配属。大学時代の彼とは疎遠になり別れたが、26歳の時合コンで彼が出来た。
彼の関西への転勤が決まったのが、先々月。プロポーズを待ったが、結局は置いて行かれてしまった。
そこからだ。私の歯車が狂い出したのは。
暫くは仕事も手に着かず、データ処理にミスがあったりもした。見かねた美月が合コンに誘ってくれたが、行く気にもなれないまま。
そこに、和真の配属。
イケメンで背が高く、モテるだろうとは思っていた。礼儀正しく、課では数年振りの新人。でも、全く恋愛対象だとは感じなかった。
それは、歳の差のせい。恋人として似合う年齢じゃない。
そんな和真に、おもちゃのようにされるなんて。
私は深い溜息をついてから、部屋着を着た。