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歳下の悪魔
第5章  事件と有休


 結局日中することがないからと、全員有休を取ることにする。
 上には、課長から話して置くと言われた。
 寝ていた私だけ出勤するという手もあったが、一課が動いていなければ、二課には何もすることがない。
「疲れたー。お先に―」
 立ちっぱなしだった美月が、一番に二課を出て行く。太田も敦子も守も、次々と帰ってしまう。
 私はずっと寝ていて、みんなに申し訳ない思いを抱えながら、エレベーターへ行った。
「優華先輩。一緒にタクシーで帰りましょうよ」
 和真が並んでくる。
 これは、命令なのだろうか。会社だから、口調は普通。
 和真にも、大分迷惑をかけた。タクシー代を出しても、足りないくらいだ。
「う、うん……」
 朝のエレベーターは、下りは空いている。一気に一階まで降りると、出勤してきた社員がフロアに溢れていた。
 何だか不思議な感じ。こんな時間に帰るなんて。
 ここはタクシーが良く通る。和真が止めたタクシーに後から乗り、ホッとしてシートに体を預けた。
 寝ていたと言っても、デスクチェアーでうつ伏せのまま。贅沢でも、今になって体が痛い。
 彼が行き先を告げると、タクシーが走り出す。その揺れも、心地よかった。
「優華、よく寝てたね」
 悪魔の口調になった、和真が笑う。
「ごめん、なさい……」
「責めてるわけじゃないよ。可愛かったな、と思って」
 彼はまだ笑っている。
「あっ、運転手さん。この先を左へ」
 住宅街に入ると、和真が運転手に道案内を始めた。
「ここでいいです。ほら優華、降りて」
 確かに私が降りなければ、彼は出られない。奥に乗れば良かったと思った。
「支払いはいいから。私このまま……」
「どうもー」
 和真はカードで支払いを済ませ、タクシーは行ってしまう。
「え……」
「おいでよ」
 彼に言われたら、従うしかない。
 部屋に入り、殆どベッドだけの広いリビングを抜ける。
 浴室の前で、和真が足を止めた。
「シャワー浴びるから、取り敢えず優華は、突き当りの部屋に行ってて」
 そう言って、すぐ浴室に入ってしまう。
 その部屋は、私もまだ見たことがない。
 恐怖と興味が入り混じる中、部屋のドアを開けた。



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