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歳下の悪魔
第5章 事件と有休

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
着信音が聞こえ、枕元のスマホを取る。
「はい……」
外は朝のようでも、部屋の時計を見ると、まだ6時前。
電話は太田から。
一課の消毒が続く為、今日も休みだという内容。私達二課は、一課が動かなければすることが無い。
通話を切ってからケットに潜ったが、中々眠れなかった。
昨日は昼食の後、和真も好きなバンドのブルーレイを何枚か鑑賞。夕食は、フォアグラと高級肉のステーキ。
作り方が分からず、ネットで調べて調理した。
日が暮れる程怖くなっていったが、何もされないまま。
食べて少し休んでからシャワーを浴び、その後、車で送ってくれた。
辱めたり、恋人のような行動を取ったり。それが不思議すぎて、和真が気になっているのは事実。
結局起きてしまい、暫くボーっとテレビを観ていた。
8時を過ぎた頃、カシャリと鍵の開く音。
「優華、おはよう!」
「……おはよう」
来たのは、勿論和真。手には、いつも縄が入った鞄を持っている。
「何か、喰いに行こうよ。着替えて? 朝食、喰っちゃった?」
「ううん……」
私は彼の奴隷。急でも、言うことを聞くしかない。
もう彼の前で着替えるのに慣れてしまった自分を、少し怖く感じる。
手早く着替え、髪をセットしてから出掛けた。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
都心のコインパーキングに車を停め、彼が入ったのは牛丼のチェーン店。
嫌なわけじゃ無く、昨日の夕食との落差に驚いた。
和真は大盛りを頼み、私は小さめのもの。
彼の大学時代の話を聞きながら、食事は楽しく終わった。
牛丼店を出ると、もう色々な店が開いている時間。
「服でも、見に行こうか」
和真の後を追い、表通りへ出た。
平日なのに、買い物客でもう賑わっている。
「あ……」
少し歩いた所で、私は足を止めた。
前から歩いて来たカップルも、同じように足を止める。
「元彼?」
和真にも、私の表情が分かったらしい。
「ねえ。君、いくつ?」
元彼と腕を組んでいる女性に、和真が訊く。
「私……? 二十八、ですけど……」
「そのうち捨てられないように、気を付けた方がいいよ?」
「ねぇ。どういう意味?」
彼女が元彼に訊いていた。
「でも、優華はラッキーかな。あんたに捨てられて、俺に会えたんだから」
和真が肩を組んで来る。

