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第2章 アリョーナの旅路・第２部

支配人から聞いた話によりますとアタシに声をかけましたメンバーの男性のお客様は、トリビューンタワーの中にある総合商社の社長さんで、アタシがもくもくとキャディさんのバイトに精を出して働いている姿見て、お声をかけてくださいました。

アタシがクラブハウスの中にあるレストランに来た時、社長さんたちはピルスナーをのみながら世間話に華を咲かせていました。

社長さんはアタシに、にこやかな表情で『よく来てくれたね、まあここへ来て、一緒にごはんでも食べませんか。』と言いましてアタシを呼びました。

このあとアタシは、社長さんが座っている席の向かい側のイスにすわりました後に、こんな会話をしていました。

「今日は、最初から最後までキャディのお仕事ごくろうさまでした…ところで…お名前をまだお聞きになられていなかったようでありますから…よろしければ…名前を教えていただけませんでしょうか？」
「アリョーナと言います。」
「アリョーナさんですね…いつもここでキャディのバイトをしているのかな？」
「いえ、不定期でキャディさんのバイトをしています。」
「そうかそうか…アリョーナさんは、働き者だねぇ…一生懸命になっておカネを稼いでいるようだけど…何か夢でもあるのかな？」
「夢…でしょうか？」

アタシは社長さんからの問いに対しまして、お金がたまったら西海岸へ移住するとは言えませんでしたので『特に…決まった夢は…』と言いまして、言葉をにごしました。

社長さんは『ないのかね。』とひとこと言うて、アタシにこう言いました。