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第2章 アリョーナの旅路・第２部

２

それから数日後のことでありました。

エバンストンにあるマーティーさんの家にて…

マーティーさんの家は、同じ屋根の下で67歳の母親と65歳の父親とマーティーさんの３人が暮らしていました。

マーティーさんは、結婚相手との出会う機会がないまま職場と家庭の間を往復する日々ばかりが続いていました。

「ただいま。」

ネイビーのスーツ姿で、黒の手提げのバッグを持っているマーティーさんは、ふてくされた声で『ただいま。』と言った後に、ダイニングまで行きまして、冷蔵庫の中からバドワイザーの500ミリリットルの缶を３本取り出しまして、疲れた表情で自分の部屋へ行くのでありました。

ダイニングのテーブルでくつろいでいましたマーティーさんの両親は、心配そうな表情でこんな会話をしていました。

「あなた…そろそろマーティーの嫁さんのことを考えてあげないと…」
「何だよぉ…またマーティーの結婚の話か…かんべんしてくれよぉ…」
「あなた、どうしていつもそんなことばかりを言うのよ!?マーティーの結婚問題にきちんと向き合ってよ!!逃げないでよ!!」
「逃げてなんかいないよぉ…ひとえに結婚したいと言うけれども、マーティーの年齢では条件がさらに厳しくなるのだよ…それぐらい分かっているのかなぁ。」
「あなた!!あなたは、マーティーにお嫁さんは必要ないと言いたいわけなの!?」
「そんなことは言っていないよぉ…マーティーに嫁さん来てほしいよぉ…」
「マーティーに嫁さんが来てほしいのだったら、真剣に向き合ってちょうだい!!今はふたりとも元気でも、この先５年ないし10年のスパンで考えてみたら…マーティーに嫁さんが必要なのは分かっているでしょ!!」
「ああ!!分かった分かった分かった…マーティーの結婚のことは、時間が空いているときにしてくれ!!わしは明日早いから…もう寝るから。」