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第2章 アリョーナの旅路・第２部

そして、次の日の朝６時過ぎのことでありました。

アタシは、ホテルの従業員専用口でマーティーさんが来るのを待っていました。

約束より少し遅れまして、マーティーさんがやって来たのでありました。

「アリョーナ。」
「マーティーさん!!おカネを用意したわよ!!」

マーティーさんは、アタシの言葉に対しまして『ありがとう…助かったよ。』と平然とした口調で言いまして、茶封筒に入っている大金を受け取ろうとしました。

しかし、アタシは怒り心頭になっていたのでマーティーさんの右手を思い切り平手打ちで叩いてからこう言い返しました。

「あんたね!!このおカネは何のおカネだと言うことを分かっているのかしら!?このおカネはね!!売り子さん会社の社長さんにお願いをして、給料３ヶ月分のダイヤの指輪の金額分をバンス（給料の前借り）したのよ!!アタシは当分の間１セントもお給料がもらえない状態になってしまったのよ!!分かっているのかしら!?」
「分かっているよ…今日のところはカネで許してやるから…」
「持って行きなさいよ!!そんなにアタシと結婚をしたくないのだったら、マーティーさんの意中のカノジョを自分で見つけて、そのおカネでダイヤモンドの指輪を買えばいいじゃないの!!アタシはあんたのことは死んでも許さないから!!帰んなさいよ!!」

アタシは、マーティーさんに思い切り怒鳴った後に足早にホテルの中に逃げて行きました。