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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路


アタシは、女子大を退学したそのまた上に、恋人との別れと親が決めたお見合い相手の男性との結婚で気持ちがギスギスしているそのまた上に、挙式披露宴の前の日の夜にきついはずかしめを受けたのでアタシはひどく傷ついていました。

立ち直るまでには相当な時間がかかるようでありました。

7月29日、シベリア鉄道の特急列車がモスクワ中央駅に到着しました。

ボストンバックと赤茶色のバッグを持っているアタシは、列車を降りた後サンクトペテルブルグに向かう特急列車に乗り換えてサンクトペテルブルグへ向かいました。

サンクトペテルブルグに着いたアタシは、しばらくの間友人が暮らしているアパートに滞在をしまして、8月5日にマヤコフスキー通りにあるアパートへ移りました。

友人からの紹介で、アタシはピロシコヴァヤ(ピロシキカフェ)とベルヴェ(ナイトクラブ・エルミタール美術館の近くにある)をかけもちでバイトをすることにしました。

月給は合わせて2500ルーブルでありました。

その中から、アパートの家賃10ルーブル50カペイカを払いまして、残りは食費などを切り詰めて生活して行くことにしました。

ハバロフスクにいた時は、両親や兄夫婦がいまして、何もかも守られていましたが、お見合い結婚を反古にしまして家を飛び出してしまいましたので、ここから先は自分の力で生きて行くより他はありませんでした。
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