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第1章 アリョーナの旅路

「アリョーナ。」
「なあに？」
「アリョーナに、大切なお話があるのだよ。」
「大切なお話があるって？」
「うん。」

ヒーラーさんは、お茶をひとのみしてからアタシにこう言ったのでありました。

「あのねアリョーナ、オレ…９月いっぱいで会社を退職して…実家があるフライグブルグに帰ることに決めたよ。」
「フライグブルグって…ドイツに帰るの？」
「うん。」
「どうして会社をやめるのよ？」
「どうしてって…会社をやめて、実家のバーデンワインのおろし問屋さんを手伝おうかと思っているのだよ。」
「そうなんだ…実家のワインのおろし問屋を手伝いたいのね。」
「もちろんだよ…そこでアリョーナにお願いがあるのだけどいいかな？」
「アタシにお願い？」
「ああ…オレと一緒に…ドイツで…暮らさないか？」

ヒーラーさんは、アタシにこう言いましてプロポーズをしました。

アタシはこの時、うれしくなりまして涙をポロポロこぼしながら震える声でこう言いました。

「ヒーラーさん…こんなアタシでも…いいの？」
「もちろんだよ…オレは…アリョーナのことが好きなのだよ…大好きだから…オレのそばにいてほしい…」

アタシは、ヒーラーさんからのプロポーズを聞きまして、ヒーラーさんと一緒にドイツに行きまして結婚をすることを決意しました。

今度こそ、アタシは幸せになるのよ…

アタシは心の中で何度も言い聞かせていました。