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甘い鎖【BL】
第7章 妥協する愛?
「それでも実家は別々だろう? 同じ所に住みたいんだ」

「大して今と変わらないだろう?」

「変わるよ! ボクと綾だけしかいない家が欲しいんだ!」

…コイツは実の両親も邪魔なのかよ?

オレは深く深くため息をつかずにはいられなかった。

「借りる部屋とかは?」

「ボクの方で用意するよ。大学に近い所が良いよね?」

確かに今住んでいるマンションから、大学に通うのは不便だ。

「まあ、な。でもバイトしないと、引越し費用が…」

「それもボクの方で用意するよ。一年間、時間があるんだから」

光雅のバイト…いや、きっとパソコンを使ってイロイロやるんだろう。

モデルとかの話は山ほど来ているが、面倒だと断り続けているし。

光雅なら、情報を金にすることができそうだ。

「あっそ…。なら大学に入ったら同居しよう。それで大人しく進級・卒業するんだな?」

「もちろん! ああ、今から楽しみだなぁ。どういう家に住もう」

どこへ行っても、何をやっても、光雅は変わらないだろうな。

相変わらずオレを好きなままで、オレを中心に生きる。

そしてそんな光雅をオレは…。

「…ん? どうかした、綾。ニコニコしてる」

「そりゃ光雅の方だろう?」

嬉しそうに語る光雅。

こんな表情、オレだけしか知らない。

そう考えると嬉しく思ってしまう。

「だって嬉しいもの。ああ、早く綾と二人だけで住みたいなぁ。大学に行く時も一緒で…本当に夢みたいだ」

白い頬を赤く染めながら、夢見心地で話す光雅に、オレは寄り掛かった。

「綾?」

「大学受験、頑張ろうと思って。光雅と同じとこなら、かなり努力しなきゃいけないからさ」

「それならボクが勉強を教えるよ。大丈夫、必ず二人同じ所に行けるから」

余裕の笑みを浮かべ、肩を抱き締めてくれる光雅。

こういう時は、頼もしく思える。

「ああ、頼むぜ」
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