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純愛ハンター
第7章 裁き7、逆襲の玲子
「ふぅ…やっぱり厳しいか…」

この日の裁判が全て終わると玲子は裁判所を出て、駅まで続くイチョウ並木を眺めながら途方に暮れた。裁判所前のベンチでは、ホームレス風の男が拾ったと思われるゴシップ雑誌を読みふけっていた。

(雑誌…!出来るだけ連中の悪行の証拠を集めて雑誌社に売るのはどうか…?緑は…いや“お嬢”は与党実力者の娘だ、話題性もあるし扱ってくれる雑誌社はあるかも…気を付けないと逆にこっちが売られる危険はあるけど…何もしないよりマシだ!)

玲子はスマホを取り出すと、

『明日、ちょっとだけ時間作れる?話したい事があるんだけど…』

ある人物にそうメールを送った。

(やるしかない!絶対に連中を…私から全てを奪った連中を地獄に落としてやるんだ…!)

翌日。カフェで待つ玲子の元に伊達メガネとマスクで顔を覆った、小柄で肉感的で不自然なほど胸の大きい若い女性が姿を現した。

「あ!Z子…わざわざゴメンね?ありがとう…」
「ううん…でも玲子、こういう話するの今日で最初で最後にして欲しいんだけど…」
「分かった!ホントにゴメン…今日だけでイイから…」

その女性はZ子といって、四ツ倉のクローズドイベントに参加していたキャストの1人だった。Z子は玲子がアイドル時代に深夜番組で何度か共演していた顔見知りの元グラビアアイドルであり、偶然にも先日の四ツ倉のクローズドイベントの会場で再会していたのだ。

「まさかあんな場所で会うとはね…因果なもんね…」
「そう…だね…」

玲子は、自身が四ツ倉に散々貢いだ挙げ句パーティーに参加するハメになった事をZ子に明かすと、

「で、Z子は何であのパーティーに参加する事になっちゃったのか…教えて貰える?」

そう尋ねた。
Z子は周囲をキョロキョロと神経質そうに見回すと、身を屈めて小声で話し始めた。

「あのね、1年くらい前の事なんだけど…事務所の人の紹介で私のファンだっていうBって与党議員とご飯を食べる事になってね………」

Z子は所属していた芸能事務所のスタッフに、『B議員の後援会には大手企業の代表も多く連ねており、上手く取り入ればCMの仕事が取れるかも知れない』という因果を含められ、B議員と一度会食するよう依頼された。
“ある類の接待”にも慣れていたZ子は、因果を飲んだ上でB議員との会食を快諾した。
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