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純愛ハンター
第9章 裁き9、プリティベイベー
(どうやってヤツ(長女)の身柄を確保するか…?おっと待て…こういう時に焦らずに悠々と構えるのが“運”を引き込む秘訣だ…自分の運を信じるんだ)

男はこれまで、自分の運の良さを圧倒的に信じていた。
それは『願えば叶う』とか『信じれば道は開かれん』というタイプの運の良さではなく、いわゆる悪運の強さだった。
道を切り開く事は自力でも出来るが、その行程で社会のルールを外れる事も時には必要だ。そういう時に絶対に転ばない…そんな自身の悪運の良さを男は信じていた。

(今晩も子猫ちゃんを抱こう…不安を全て拭い去るんだ…俺の人生はいつだってそうだった…その時々の子猫ちゃんたちに悪い流れを吸い取らせてここまで来たんだ…)

車が自宅に到着すると、男は弾む足取りで家の中へ入っていった。
その頃…真紀は自室の机で本を読んでいた。
だが、いつ父親がこの部屋に入って来て、いつ抱かれるのかを考えると気は散り散りに乱れ…
全く頭に入って来ない文字の羅列をひたすら目で追っているだけだった。

『真紀、本当に悪いんだけど…もう少しクソ親父に抱かれるのを我慢してくれないかな…?』

1週間ほど前に姉の緑が心苦しそうに言っていた言葉を思い起こすと、真紀は下唇を噛み締めた。

(…しばらく我慢する事で父を追い詰められるなら…その恐怖には打ち勝ちたい…あれほど父を崇拝していたお姉さまが父を抹殺する覚悟を決めてくれたんだんだもん…絶対に自分の役目を果たしたい…!)

真紀があらためて覚悟を決めた瞬間、
コンコン…ガチャっ!

(はっ…!)

父親である五島啓太が真紀の部屋へ入ってきた。

「真紀~っ…あぁ、真紀ぃっ!」

啓太は興奮気味に男臭い身体を密着させて真紀を背後から抱き締めると、

「あっ…嫌ぁっ…!」

すぐさま耳の裏側をネットリと舐ってきた。
啓太に抱かれる事を使命として覚悟しきっていた真紀は、手に持っていた本を机の上に置こうとした。

(あ…!)

だが、真紀は普段通り啓太に対する不快感をあらわにしなくては不自然である事に気が付き、本を置くのをふと止めた。
勘の鋭い父にわずかな不自然さも悟られてはならないのだ…。
啓太に普段通り伸び伸びと“性的虐待”を愉しませるには、

(普段通り…中途半端に抵抗しなくちゃ…)

そうしなければならなかったのだ。
そして真紀は、
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