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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
「本当かい。本当に、金ぴかに飾り立てたあの女と同一人物なのかよ」
 若い坂上と工藤が同時に声を上げた。
「ウッドストックの時代にタイムスリップしたみたいだな」
 松永の呟きに、フロアの誰からも反応は返ってこなかった。
「この写真は二十年前のものだ。木庭敦子は、当時『モンテ・クリストの箱舟』という新興教団の幹部だった。信者の数はそれほどでもなかったが、強引な勧誘のせいで摘発されている。何でも、教団に入信させるために薬物を使用した疑いがあるとかでな。木庭敦子も拘留された」
 なるほど。「モンテ・クリストの箱舟」か。
 どこかの断崖で両手を広げている姿は、コルコバードの丘に立つキリスト像を真似ているようにも見えた。
「もう一つ、こちらの写真も見てほしい」
 吉岡が坂上に合図を送ると、スクリーンにまた別の写真が現れた。
「これも木庭敦子だ。さっきから五年後のものだ」
 免許証に貼るために正面から撮ったような写真だった。五年前にはヒッピーそのものだった長髪をおかっぱにして、縁なしの眼鏡をかけている。
 化粧気は一切なく、さっきとは打って変わった濃紺のスーツにブラックタイという格好だった。来ているスーツは、軍隊か警察の制服に見える。
「薬物を使って信者を集めていたインチキ新興教団の幹部が、どうしてこうなったのかはわからないが、どこかの超大物の鶴の一声で、敦子は拘置所を出ている。そのうえ、ある秘密機関で教官を務めることになった。これは、その当時の写真だ」
 吉岡の言葉に、フロア中がざわめいた。誰かがヒューッと口笛を吹く。
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