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レディー・マスケティアーズ
第9章 アラミス ――三軒茶屋 木庭浩一のマンション
「今晩は、ここにふん縛っておけ! 明日にも成城の屋敷に運び込む。そこで敦子に始末させよう。姉貴の手にかかれば、こんなヒヨッコ、洗いざらい吐くだろうって」
木庭茂が、もう一度大声を上げた。
*
「自白剤か……。まさか、やつらがあんなものまで使うとはな。あのアラミスでさえ全部しゃべっちゃうくらいだから、相当な効き目の薬なんだろう」
スクリーンを睨み付けて、坂上が言った。
「こうなったら、一刻も早くポルトスに連絡して、逃げるように言わなくちゃあ。明日になったら、木庭たちが押しかけてきてポルトスを……」
いちばん若い工藤が、ごくりと唾を飲んだ。
「いや。それでは、ここまでの仕掛けが水の泡だ。それに、このピンチがチャンスに変わる可能性だってある」
「じゃあ、こっちも全員に召集をかけて、戦闘準備を整えますか?」
坂上も工藤も、顔を紅潮させている。
「それも待て。銃士隊全員で出動するのはまずい。まだ確かな証拠を掴んだわけじゃないんだぞ。あいつらに知らん顔を通されたら、そこまでだ」
松永が若い二人を制した。
「だけど、あいつら。明日にもポルトスを締め上げるんですよ。いくらポルトスでも、大の男三人を相手にできるものですか。死んだ桜井美里と同じ目に遭うことだって……」
噛みつくような口調で、坂上と工藤が食い下がる。松永は聞き入れなかった。
「よし。ダルタニァンを準備させよう。あいつの特技からして、打ってつけの働き場所だ」
木庭茂が、もう一度大声を上げた。
*
「自白剤か……。まさか、やつらがあんなものまで使うとはな。あのアラミスでさえ全部しゃべっちゃうくらいだから、相当な効き目の薬なんだろう」
スクリーンを睨み付けて、坂上が言った。
「こうなったら、一刻も早くポルトスに連絡して、逃げるように言わなくちゃあ。明日になったら、木庭たちが押しかけてきてポルトスを……」
いちばん若い工藤が、ごくりと唾を飲んだ。
「いや。それでは、ここまでの仕掛けが水の泡だ。それに、このピンチがチャンスに変わる可能性だってある」
「じゃあ、こっちも全員に召集をかけて、戦闘準備を整えますか?」
坂上も工藤も、顔を紅潮させている。
「それも待て。銃士隊全員で出動するのはまずい。まだ確かな証拠を掴んだわけじゃないんだぞ。あいつらに知らん顔を通されたら、そこまでだ」
松永が若い二人を制した。
「だけど、あいつら。明日にもポルトスを締め上げるんですよ。いくらポルトスでも、大の男三人を相手にできるものですか。死んだ桜井美里と同じ目に遭うことだって……」
噛みつくような口調で、坂上と工藤が食い下がる。松永は聞き入れなかった。
「よし。ダルタニァンを準備させよう。あいつの特技からして、打ってつけの働き場所だ」