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独占欲に捕らわれて
第2章 合コン
「チサちゃんってスタイルいいよね、何かしてるの?」
「別に」
「ナチュラルメイクでそれだけ可愛いんだから、すっぴん綺麗なんだろうな」
「さぁ?」
「チサちゃんって休日何してんの?」
「プライベートなんで」
次々と質問してくる紅玲、それらを適当に流す千聖。最初は誰も気にとめなかったが、今では参加者の大半がヒヤヒヤしている。

(そろそろ頃合いね)
千聖は5000円札をテーブルの上に置いた。
「帰るね」
千聖は作り笑いをして言うと、立ち上がる。
「もう帰んの? 寂しいな」
引き止めようとするのは紅玲だけで、他の参加者達は呆然とするばかりだ。

居酒屋から出た千聖は、パパリストから義和の名前を見つけると、電話をかける。
『もしもし、千聖ちゃん?』
「急にかけたのに、出てくれて嬉しい。ねぇ、今から時間ある? 昨日の埋め合わせしたいんだけど……」
『千聖ちゃんからそう言ってくれるなんて嬉しいね。もちろん、時間はあるよ』
千聖は内心ガッツポーズをする。

「よかった。それなら、昨日行く予定だったホテルなんてどう? 外泊で」
『いいね。待ち合わせは昨日と同じでいいかな?』
「オーケー、近くにいるからすぐに着くわ」
『それなら私も今すぐ向かおう。じゃあ、駅で』
「うん、分かった」
千聖は電話を切ると、鼻歌を歌いながら駅へ向かう。

「あんなガキ共といらんないわ」
千聖は同年代の人間が、基本的に好きではない。正確には、若者特有のノリが苦手なのだ。
恋愛に興味が無い彼女からすれば、守備範囲もなにもあったものではないのだろうが、あるとすれば中高年層だろう。

駅前に着くと、時間潰しにスマホを見る。
「げ……」
LINE通知が来ていたのでチェックしてみれば、今日の合コングループが作られていた。脱退しようとしたところで、落ち着きのある声が千聖を呼んだ。
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