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独占欲に捕らわれて
第7章 苦悩
「ミチルって……留学金を巻き上げてあなたをボロ雑巾みたいに捨てた女?」
「まったく、トーマのお喋りには困っちゃうねぇ……。そうだよ、そのミチルと、偶然会ったんだ……」
紅玲は千聖に寄りかかりながら、ポツポツと言う。

「そう……。私でよければ、話を聞くわ。お父さんの話も、ミチルさんの話も……」
「ありがと、チサちゃんは優しくていい子だね。……父さんはね、オレを嫌ってるんだ。人生の汚点だと思ってる」
「そんな……!」
あまりにも酷い話に、千聖は思わず声を上げる。千聖の母親も毒親だったが、それでも愛情はあった。

「父さんは、有名な会社の社長なんだ。きっと、チサちゃんも名前を聞いたら知ってるようなね。父さんは野心家でねぇ、若い頃、出世したいがために、上司と一緒に女の子がいる店に行ったんだ。クラブとかキャバクラとか、そういうルールがあるところじゃなくて……、もっととんでもないところ。醜悪の最果てだって、父さんは言ってた……」
「ハプニングバーとか?」
千聖が当てずっぽうで言うと、紅玲は小さく笑って首を横に振った。

「父さんの話が本当なら、ハプニングバーだってお上品なところだよ。あるのは酒瓶とベッドと……あと薬……。母さんはそこにいたって。逃げようとする父さんを薬で動けなくして、無理やり跨って腰を振ってたってさ……。その後、当時課長だった父さんは部長まで昇進。悪夢は忘れて、仕事に打ち込んでたんだけどねぇ……」
「あなたは、その時の子供……?」
千聖が聞くと、紅玲は無言で頷く。

「そうだよ。悪夢から1年後の日曜日、父さんの家の前に、ゆりかごに入ったオレが置いてあったんだって。ご丁寧に、DNA型鑑定書と、命名書、それと出産届のコピーまで一緒に入ってたんだってさ。信じたくなかった父さんは、DNA型鑑定書と一緒に入ってた自分の髪の毛と、自分で抜いた髪の毛を鑑定に出したんだ。もちろん、赤ん坊だったオレとの血縁関係だって自分で調べた。結果は、父さんにとって絶望的なものだった……」
「あんまりよ……」
悲惨な出生に、千聖はうめくように言う。
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