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官能小説家のリアル
第9章  絆


 ボトルをデスクに置いた美波がベッドへ戻ると、すぐ直哉に押し倒される。
 その動きで顔にかかった髪を直すと、直哉は耳元へ舌をつけた。
「んんっ」
 美波の鼻にかかった声。
 それを聞くだけで直哉も煽られていく。
 強い刺激に襲われる前でも、美波は快感の中にいた。
 愛しい人に触れられる。それだけで、体の奥に小さな熱が生まれ始める。
 乳房に何度も跡を残し、やっと乳首が口内に含まれた。
「あんっ」
 甘い声と同調するように、熱が大きくなっていく。
 濡れた口内で動く舌に翻弄され、美波はシーツを掴んだ。
「はぁっ、んっ」
 二年が経ったと思うと、直哉は不思議でもあった。
 女性を信じられなくなっていた時期。そこへ偶然現れた美波。
 彼女を信じてみたい。
 そこから始まった恋を美波は受け入れてくれた。
「ヤっ、はぁっ」
 秘蕾に触れた指に、美波が体を捩る。
 クリトリスと同時に刺激すると、密が溢れ出す。
「美波……?」
「ん……」
 二人共、今夜は何故かお互いが欲しかった。
 酔いのせいだけではなく、記念日というのも大切な材料。
「乗って?」
 準備をした直哉に手を引かれ、横になった彼にゆっくりと跨る。
 腰を撫でられながら、美波は彼を受け入れた。
「あっ、んんっ」
 一瞬、息が詰まる刺激。
 繋がった場所から、全身へと熱が放たれる。
「あぁんっ」
 ウエストを支えられながら、彼の上で動く。
「美波……。キツっ……」
 それは感じているせいだと、直哉も分かっている。
「あぁっ、はぁっ」
 直接的な快感もそうだが、自分の上で喘ぐ美波にも高められてしまう。
 締め付けられる性器、官能的な甘い声、動く度に揺れる乳房。引き締まったウエストのずっと下には、薄い陰毛と突き刺さるような自分のもの。
 感覚。聴覚。視覚。全てを捉えられ、直哉も息を乱す。
 美波も、全てを見られていることに快感を煽られる。
 彼の上で濡れた音を立てながら、自ら快感を求めて動く。そんな淫らなところを、彼に見せているようで。
「あんっ、んっ、んんっ」


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