この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
官能小説家のリアル
第2章  悩み


「あの……。失礼になりますけど、今雑誌を創刊しても、売れ行きはそう見込めないのでは。休刊が増えてますし。これからは、ネットが主流かと……」
「ネットと、連動させます。番外編などは、無料でネット公開。小説の挿絵や設定資料も。それで本編に興味をもってもらえるように。ネットと同時進行のような形で進めていきます」
 美波は、それが上手く行けば面白いとは思う。でも今は、紙媒体離れが進んでいる。読者がこちらの思惑通りになるか、不安もあった。
「でも、ジャンルが……。私には無理かと……」
「何人か、他ジャンルの先生方からOKをもらっています。BLの方からも」
 それを言葉にしたかぁ、と思いながら、美波は紅茶を飲んだ。
 隣の席からも、“BL”という言葉が聞こえてくる。
 最近一般にも、呼び名と内容だけは有名になっているのは美波も知っていた。
「あの……。編集長は、私をご存知なんでしょうか」
「すみません。遅れまして。僕が、編集長です」
「えっ?」
 飯野は、30代にしか見えない。美波は、編集長となると普通はもっと年上だと思っていた。
 今もらった名刺を見ると、確かに“編集長”とかいてある。
「先生なら、T出版はご存じですよね。そこの新企画です。ですから、母体はTです。安心してください」
「はい……」
 T出版は大手で、美波も知っていた。それどころか、系列のBL雑誌にも担当がいる。
「お願いします。先生のお力を貸してください。あっ、原稿料は、ページ当たりこれで」
 そう言うと、飯野が紙ナフキンに数字を書く。
「えー? いきなり、こんなに……? だって、そのジャンルでは、新人ですよ? もしやるとしたら、PNも変えますし」
 ジャンルは別としても、PNを変えれば無名の新人。
 提示された金額は、美波がもらっている中でも高い方。
「いいえ。先生なら、これくらいに値します。もっとと言いたいんですが、上の都合もあるので……」
 上というのは、母体になるT出版社。それだけは飯野にもどうしようもない。


/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ