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官能小説家のリアル
第3章  決心


 “みなみ”と呼ばれるのには慣れているし、ここでは“BL作家のみなみ”を知る人も少ない。でも美波は、早くここでのPNを考えた方がいいと思った。
 もし“みなみ”で知れ渡れば、BL作家としてのイメージが崩れかねない。
 イメージは結構大事。
 少女漫画家がそのままのPNで官能系を書くと、それまでのファンが離れていく場合もある。同じ官能系でも、男性向けではイメージが変わってしまうかもしれない。幅が広がる可能性もあるが、そこは懸け。
 美波は懸けをしてまでこのジャンルに飛び込む気も必要もない。
 BLが今のままメーンで、もう男性向けの仕事は取らないつもりでいる。
 PNについて考えてみた時もあるが、長く“みなみ”でやっていたから、美波もそれは迷っている状態。インパクトは欲しいが、あまり奇抜だとそういった作風を期待されてしまう。
「どうぞー」
「ありがとう」
 桜子にローストビーフを皿に載せられ、飲み物を持って隅のテーブルへ行った。
「脚が痛くなっちゃいました。ヒール、高すぎたなぁ」
 桜子が脚を気にしている。
 美波はパーティーに慣れていたせいで、低めのものを履いて来た。
 出版社のパーティーは、殆どが立食形式。壁際にソファーもあるが、そこには大抵テーブルが無い。
 男性が多いせいか、ソファーは割と空いている。美波は桜子へ言い、一つ空けてソファーへ座り、その間の一つをテーブル代わりにした。
 少し行儀は悪いが、こういったパーティーなら空いていれば許される。
 ローストビーフを食べた後はデザート。美波がいくつかの種類を持って来て、それを二人で食べた。こういう時のケーキは、小さく切ってある。いわゆる“一口大”だが、女性に一口では無理な程度。
 そうしていると顔を見知った程度の芸能人が司会を始める。そして編集長の挨拶。勿論飯野。
 35歳だと自己紹介していて、美波は初めて彼の年齢を知った。
 編集長にしては若い。
 若さを期待されての大抜擢か、最初からこの雑誌に期待していないかのどちらか。


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