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官能小説家のリアル
第4章 戸惑い
「今日は無理っ! ごめん……」
仕事が溜まっている。
会社帰りに寄った直哉は顔だけ見て帰ると言ったが、夕食くらいはと美波から誘った。と言っても、手作りでないのが心苦しかったが。
もし直哉がプロポーズしてくれたら、仕事を辞めてもいいかもしれない。
美波はそう思った。
家のことをしながら、彼の帰りを待つ。
今は無理でも、家事や、そのうち育児だってしたい。
その合間に、と考えてしまい、思いを馳せるのをやめた。
結局、その合間に小説を、と思ってしまう。
美波が小説を書くのは、収入のためだけではない。もし売れなくて未だに実家暮らしでも、少しでも仕事があれば続けていただろう。結局美波は、書くことが好き。
「今度の休み、一緒に見に行こうか。ネックレス」
「え? ボーナス、まだ先でしょう?」
「それくらいなら、ボーナスじゃなくても買えるよ。美波はどうせ、安いの選ぶんだろう?」
見抜かれている、と美波は嬉しくも感じた。
美波が拘るのは靴だけ。それもブランドや値段ではなく、履き心地。
履き心地が良ければ、安くても買う。デザインが気に入ったブランドものでも、履き心地が自分に合わなければ買わない。
そんな実用主義者。
「じゃあ、ちょっとだけ高いの選んじゃおうかなぁ」
「貯金降ろしておくから。任せとけって」
「冗談だよー。いいの。直哉の気持ちがこもってれば」
また美波は直哉の両肩を抑えたが、今度はその場に押し倒されてしまった。
「これだけだから……」
直哉は美波の両手を抑えつけたまま、唇を合わせる。息をつぐ隙間から舌を入れ、お互いに絡め合った。
「んんっ、はぁっ……」
美波の息遣いを聞き、直哉が急いで離れる。
「ガマン出来なくなるから、やめとく……」
「直哉? してあげる……」
彼をローソファーに座らせ、美波はその前の跪いた。
スラックスのボタンを外しジッパーを下げると、下着の上から性器を出す
「美波……」
直哉には悪いが、セックスをしている時間は無い。でも美波も、彼を気持ち悦くしてあげたいと思った。