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官能小説家のリアル
第4章 戸惑い
半勃ちになっていたものを持っただけで、すぐに大きくなっていく。
根元を軽く吸ってから、舌を這わせる。
そのまま先端まで舌先で辿ると、美波は全体を口に含んだ。
「んっ……」
直哉の微かな息遣いが聞こえる。
舌全体を使いながら、逞しくなった性器を抜き挿しする。
微かな震えと、伝わってくる熱。それが美波にも伝わり、彼女の顔も熱くなる。
「はぁっ……。ふぅっ……」
息を継ぐ美波の喘ぎのような呼吸に、直哉も堪らなくなっていく。
「……っ、美波……っ」
セックスでは美波が喘ぐ様子が見たい直哉も、一方的に責められると限界までが早くなってしまう。
「んんっ……」
鼻で呼吸をする美波の、艶のある吐息。
直哉は、彼女の長い髪をかき上げた。
太く硬くなったものが、美波の口に出入りしている。
顔を見るだけでいいと思って来たが、直哉はやはり愛し合いたいと思ってしまう。
どうしてもと言えば、彼女は拒まないだろう。
でもそうすれば、今日の美波には迷惑になる。それに、たまにはこんな刺激だけの夜もいい。
才能があって頑張り屋で美しい彼女。
直哉は、偶然出会えたことを運命だと思いたくなる。
「美波っ、もう……くっ……。はあっ……」
彼女の中へ挿いるよりもずっと早く、直哉は放出してしまった。
「んんっ……」
性器から離れた美波の顎を、直哉が指先で自分へと向かせる。
恥ずかしそうに視線を落とした彼女から、ゴクリと飲み込む音。
唇の端に着いたものを指先ですくい、直哉は美波の方へ差し出した。
「美波……?」
開いた彼女の唇の間にその指を入れると、目を瞑った美波が精液のついた指をしゃぶる。
もう一度飲み込む音の後指を抜くと、チュパっという響き。
それを聞いてから、直哉は美波を抱きしめた。
「美波……。ずっと、一緒にいたい……」
その言葉を聞き、美波も彼の背中へ腕を回した。
帰りの電車でつり革に掴まり、直哉は溜息をつく。
こんな時間のスーツ姿の男性の溜息など、誰も気にしない。
会社で失敗でもしたのか。それくらいにしか思われなかった。
直哉は、窓の外へ目を遣る。