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官能小説家のリアル
第1章  新しい仕事


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 美波は、ファミレスでパソコンに向かっていた。
 待ち合わせまでまだ三十分。早く来て相手を待つのが美波の癖と言ってもいい。
「みなみさん、お待たせしましたー」
 約束の五分前になり、担当の小林が来る。
 担当はペンネームで呼ぶが、“先生”を付けたりはしない。
「ご無沙汰してすいません。今日こそ、会ってお話しがしたくて」
 小林が、笑いながら美波の前に座った。
 こうやって会うのは半年振り。普段は、電話やメールで連絡を取り合う。
 ドリンクバーのコーヒーを持って来てから、小林が手帳を見る。
 担当と言っても、美波一人の担当ではない。通常何人も。人によっては十数人を担当している。
「早速ですけど。前回のお話し、アンケートで好評だったんですよ。それで、新書化出来ればと思うんですが」
「ありがとうございます」
 美波の返事は、お礼と了承の意味。
「その時に足す続編なんですが、エッチは五回以上お願いします」
 小林の言葉に、美波は隣からスーツの男性達の視線を感じていた。
 声は押さえているが、隣には聞こえてしまう。
 普通の人からすれば、異様な会話。でも担当の小林は勿論、美波も慣れてしまった。
 そのためもあって、美波はわざとパソコンを開いている。“小説家”と見せるわけではなく、“何か仕事の話”だと思ってもらうため。
「後、またプロットをお願い出来ますか? 半年後の掲載が目安で……」
 半年後に掲載だとしたら、その一ヶ月前が入稿のリミット。そこから逆算すると、来月までにプロットを上げることになる。
「テーマは、“特殊職業”なんですが」
「はい。大丈夫です。よろしくお願いします」
 美波はスケジュール帳に書きながら答えた。
 自分の書くペースはもう把握している。他の仕事との兼ね合いを考え、余裕を持って仕事を入れるのも重要。やっつけ仕事では、いずれ読者が減っていく。
「いえ、こちらこそ。よろしくお願いします。いつも無理を言ってすいません。お忙しいのに」


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