この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
官能小説家のリアル
第8章  変化


 テレビを観て笑う直哉の横顔に、美波は幸せを感じる。
 一緒にいる。という意味。それは気持ちが寄り添うこと。二人でいる間、ずっと会話が必要なのとは違う。離れていても構わない。美波は改めて実感していた。
「美波。今度の休み、ネックレス買いに行こうよ」
「うん」
 簡単な会話。それだけで、直哉はまたテレビへ目を遣る。
 直哉も思っていた。
 一緒に住みたいと言うようになったのは、好きで不安になったから。傍に置いておきたい。それは自分のエゴ。そんなことをしなくても、美波はいなくなったりしない。今は心からそう感じた。
「早くからメシ喰って、ネックレス買って、その後ブラブラして。美波の手料理も食べてみたいなあ」
「早起きと料理は無理……」
 美波が申し訳なさそうに笑う。
「だよな。その前の晩から泊まるし。疲れて、外出も無理だったりして」
 直哉が笑うのを、美波が顔を紅くして見る。
「メシはオレが作ってやるから。簡単にものだけどな」
 美波も、直哉がたまに自炊をしているのは知っていた。でも恋人に夕食を作ってもらう女性など、自分でも情けないとは思っている。
「早起きと、家事が苦手。後、数字も。それに外出」
 言い当てられ、美波は溜息をつく。
「もっと他にもあるかもなあ。オレ、美波のこともっと知りたいから。いいとこもたくさん知ってるけど、ダメなとこも。全部まとめて好きだから」
「私のいい所って……?」
 美波は、直哉にどう思われているのか知りたかった。
「そうだなあ……。仕事を凄く頑張るとこ。性格も顔も可愛いとこ。小説が書けること」
 “小説を書く”など美波には普通のことで、長所に挙げられるとは考えてもいない。
「後、フェラがうま……」
 最後まで言わせず、直哉にクッションをぶつけた。
「何だよお。褒めてるのに」
「それはいいから……」
「あっ。イベントっていつ?」
 急に話題を変えた直哉に、美波は首を傾げる。
「冬のは、年末だったよなあ? 去年」
「うん。今年は、大晦日」
 大掃除もおせち作りもしない美波には関係無いが、日程のせいで出られない作家も多い。


/109ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ