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没落お嬢さま
第27章 第二十六夜
「これは、一体?」

と、いずみが尋ねる。

「ママには、いちおう、この部屋の装飾用にと偽って、買ってもらったんだけどね。
でも、ほんとは君に使わせたくて、手に入れたんだ」

「どのように使えばいいのでしょう?」

「その為には、まず服を脱いで。全部だ」

またしても、亮生は、訳の分からぬ事を言い始めたのだった。
しかし、いずみには、亮生の命令に一方的に従うしか選択肢は無かったのである。

彼女は、いつものようにメイド服も下着も外した。
何一つ身につけないように指示されたので、メイドキャップや靴下も取って、完全な丸裸になってしまったのである。

「これでよろしいのでしょうか」

いずみは、股間だけを手の先で隠して、恥ずかしそうに亮生に聞いた。

「うん、いいよ。僕の想像した通りだ。
では、そのツボを手で持ってみて」

よく分からないまま、いずみはツボを抱えてみた。

「違う!そうじゃない!頭の方にかかげるんだよ!」

亮生が怒った。

だが、口では、なかなか、うまく説明しきれそうにないのである。
彼は、とうとう、本箱から一冊の画集を持ってきたのだった。
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