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没落お嬢さま
第27章 第二十六夜
「君から貰った毛を触りながら、この絵を眺めていたら、昼間でも君と一緒にいる気分に浸れたよ。
でも、そのうち、逆の事が頭に閃いて、離れなくなってしまったんだ」
「え。それって?」
「つまり、今やっている事さ。
本物の君が、この絵と同じポーズを、僕の前で披露してみせるんだ。
それでこそ、この絵と君が完全に一致する事になる訳だろう?」
亮生のあまりの発想に、いずみは言葉を失ったのだった。
たったそれだけの目的の為に、彼はこんなツボまで買ってきたらしい。
だが、どんなに呆れても、いずみは彼のワガママに付き合う以外になかったのである。
「君もスタイルは抜群だ。
このポーズを真似てみれば、きっと、この絵そっくりになるはずだと思うよ」
亮生は、ワクワクしながら、そう主張した。
こうして、いずみによる「泉」のモノマネが始まったのだ。
意外と、絵画のポーズを完全に復元してみるのは難しいのだった。
いずみが、いくらポーズを合わせてみても、亮生からは細かい部分のダメ出しが入るのだ。
それでも少しずつ直していく事で、ようやく、いずみのポーズは、亮生の納得のいく水準にまで到達したのだった。
でも、そのうち、逆の事が頭に閃いて、離れなくなってしまったんだ」
「え。それって?」
「つまり、今やっている事さ。
本物の君が、この絵と同じポーズを、僕の前で披露してみせるんだ。
それでこそ、この絵と君が完全に一致する事になる訳だろう?」
亮生のあまりの発想に、いずみは言葉を失ったのだった。
たったそれだけの目的の為に、彼はこんなツボまで買ってきたらしい。
だが、どんなに呆れても、いずみは彼のワガママに付き合う以外になかったのである。
「君もスタイルは抜群だ。
このポーズを真似てみれば、きっと、この絵そっくりになるはずだと思うよ」
亮生は、ワクワクしながら、そう主張した。
こうして、いずみによる「泉」のモノマネが始まったのだ。
意外と、絵画のポーズを完全に復元してみるのは難しいのだった。
いずみが、いくらポーズを合わせてみても、亮生からは細かい部分のダメ出しが入るのだ。
それでも少しずつ直していく事で、ようやく、いずみのポーズは、亮生の納得のいく水準にまで到達したのだった。