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没落お嬢さま
第27章 第二十六夜
「君も、きちんと脇の毛は剃ってあるんだね。
けっこう、けっこう。女の人はそうじゃなくっちゃね」
亮生が、いずみの晒された右手の脇にも手を当てた。
「ああ、ああ!そこは、ダメですぅ!」
いずみが、悲鳴に近い声を出した。
次の瞬間、彼女は、持っていたツボを落としてしまったのだった。
すでに腕の感覚が麻痺していたと言うのに、敏感な部分を刺激されたものだから、いっぺんに手の力が抜けてしまったのである。
いずみも亮生も、ハッと息を飲んだ。
その間、まるで時間がスローになったような錯覚に、周囲は包まれた。
でも、さいわい、床には厚い絨毯が敷いてあったので、落ちたツボは、粉みじんに割れるような事態にだけはならなかったのである。
亮生は、急いでツボを拾い上げた。
「君!なんて事をしてくれたんだ!
ツボが割れちゃったじゃないか!」
亮生は、烈火のごとく、怒鳴り散らした。
「も、申し訳ありませんでした」
一方のいずみは、青くなって、すぐに謝ったのだった。
もっとも、ツボは、割れたと言っても、はじが少し欠けた程度の話だったのである。
けっこう、けっこう。女の人はそうじゃなくっちゃね」
亮生が、いずみの晒された右手の脇にも手を当てた。
「ああ、ああ!そこは、ダメですぅ!」
いずみが、悲鳴に近い声を出した。
次の瞬間、彼女は、持っていたツボを落としてしまったのだった。
すでに腕の感覚が麻痺していたと言うのに、敏感な部分を刺激されたものだから、いっぺんに手の力が抜けてしまったのである。
いずみも亮生も、ハッと息を飲んだ。
その間、まるで時間がスローになったような錯覚に、周囲は包まれた。
でも、さいわい、床には厚い絨毯が敷いてあったので、落ちたツボは、粉みじんに割れるような事態にだけはならなかったのである。
亮生は、急いでツボを拾い上げた。
「君!なんて事をしてくれたんだ!
ツボが割れちゃったじゃないか!」
亮生は、烈火のごとく、怒鳴り散らした。
「も、申し訳ありませんでした」
一方のいずみは、青くなって、すぐに謝ったのだった。
もっとも、ツボは、割れたと言っても、はじが少し欠けた程度の話だったのである。