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没落お嬢さま
第27章 第二十六夜
「謝って済むような問題じゃないぞ!
どうしてくれるんだ!」

「べ、弁償します。今度、お給料をいただける時まで、どうか待ってください」

「君の給金なんかで、何とかなるような安物じゃないよ!
大体、このツボは、ママが買ってくれた、この世に一つのプレゼントなんだ。
そんな当たり前の金額なんか、付けられるものか!」

「本当に申し訳ありませんでした。
では、どうすれば、許していただけるのでしょうか」

「お仕置きしてやる!それしかないな!
君は、まだ、僕のしもべになったと言う自覚が足りないんだ」

いずみは震えながら、潤んだ目を大きく開き、ゴクッと唾を飲んだ。
恐れてはいたが、そのような展開になる事は、うっすらとは予想していたのである。

亮生は、いきなり、いずみに襲いかかったりはしないで、なぜかキョロキョロと周囲を見回していた。

彼の目には、木箱を梱包していた荒縄が、ひどく印象的に飛び込んできたのである。
彼は、素早く、その荒縄を手に取った。
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