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没落お嬢さま
第3章 第二夜
雑巾がわりのスカートを抱えたまま、のそのそと、茫然としたいずみが立ち上がった。

「どうしたの?
もう終わったんだから、この部屋から出ていっていいよ」

突き放すように、亮生が言った。

「でも、この格好じゃ・・・」

と、困った様子で、いずみが返した。

「そのスカートを、また履けばいいだろ」

亮生の一言に、いずみは目を見開き、言葉を失ったのである。

「何してるの?早く、履けよ。
下着を見せたままじゃ、廊下には出られないだろ」

「しかし、このスカートは汚れてるし・・・」

「汚れてたって、履けるだろ。
何もつけてないよりはマシじゃないか」

いくら逆らっても、亮生には聞いてもらえないようだし、いずみは、とうとう、亮生の指示を受け入れたのだった。

彼女は、悲しそうな顔で、濡れてヨレヨレになったスカートを履き始めた。
これじゃ、自分のオシッコを履いているようなものなのである。

その様子を、亮生は満足げに眺めていた。

「よし、それでいい。
今日は、もう下がってもいいよ」

完全にスカートを身につけたいずみを見届けて、ご機嫌な亮生はそう告げた。
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