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没落お嬢さま
第3章 第二夜
一方のいずみは、すっかり憔悴しきっていたのだった。

彼女は、うなだれて、この部屋から出て行こうとした。

だが、そこで、亮生は、またもや、彼女に声を掛けたのだ。

「ああ、それから、明日からも、僕の夜食は君が持ってくるようにね。
明日だけじゃなくて、これから毎日だ。
今から、きちんと指名しておくよ。
僕が、君の事をたっぷりと再教育してやる」

いずみは立ち止まり、狼狽した表情を亮生へと向けた。

「どうしたの?返事は?」

と、亮生が、きつく念を押す。

「はい。分かりました」

いずみが、小声で、力なく答えた。

「違う。
かしこまりました、ご主人さま、だ」

「かしこまりました、ご主人さま」

元気のないいずみがそう復誦すると、亮生も納得したように頷き、やっと、いずみもこの部屋から出て行けたのだった。
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