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没落お嬢さま
第29章 第二十八夜
第二十八夜
当然ながら、亮生が、SMなんてものを詳しく知っていたはずもあるまい。
しかし、ひょんな事から、彼は緊縛プレイを覚えてしまったみたいなのだった。
それは、いずみにとっては、とんだ災難以外の何ものでもなかったのである。
彼女は、翌日も、荒縄で縛られるようにと、亮生に迫られてしまったのであった。
いずみには、それは、嫌でも拒む事ができない命令だったのだ。
こうして、彼女は、この日も、亮生の部屋に夜食を運んだ時に、上半身を裸にされて、亮生の秘密の遊びにと付き合わされたのだった。
今回も、彼女は後ろ手に縛られてしまったのである。
「今日は、どうか胸だけは縛らないでください。お願いします」
と、いずみは、涙目で、亮生に頼み込んだ。
確かに、今日のいずみの乳房を見ると、昨夜の縄で縛った痕がまだ消えずに残っていたのだった。
これには、亮生も狼狽した表情を浮かべた。
「悪かったな。楽しくて、昨日は、つい、きつく縛り過ぎちゃったみたいだね」
亮生が素直に自分の非を認めてくれたものだから、いずみも少しホッとしたのだった。