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没落お嬢さま
第36章 第三十五夜
第三十五夜
翌日の晩である。
亮生は、かしこまった態度で、いずみへと夜伽の相手をお願いしたのだった。
いずみも、それを慎んで受け入れたのである。
彼女の方も、今日は、それほど嫌そうな様子でもないのだ。
昨夜は、二人は、結局、一緒に泣き明かしただけで別れてしまった。
そこで、前日にできなかった事を、今日、これから行なおうと言うのだ。
亮生も、どうやら、この時の為に、一日かけて、気分や体調を整えていたみたいである。
ともあれ二人は、部屋のベッドの方へ向かうと、どちらも裸になって、5日ぶりとなる愛の営みを始めたのだった。
過去のセックスとは違って、今回は、いずみも、ひどく積極的なのである。
それは、彼女が、ようやく、亮生に身も心も許した事を意味していたのかもしれなかった。
いずみの側から悩ましく抱かれてきた時は、亮生も、言葉にできないゾクゾク感に襲われたのである。
いずみの体を一方的にいじり回しているのとは、まるで異なる興奮なのだった。
これこそが、本物のセックスと言うものなのだ。
亮生は、この醍醐味も知らずに、いずみの全てを征服し尽くした気になっていたのである。