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没落お嬢さま
第41章 第四十夜
「わ、分かった。そう言う事なら、ありがたく受け取るよ」

亮生は、いずみが差し出した箱を、とりあえずは、手にとったのである。
その箱は重すぎはしないものの、でも、何かがずっしりと詰まっていた。

「今、開けてもいいのかい?」

と、亮生はいずみに確認した。

「どうぞ」

いずみが答えたので、亮生は、慎重に、その小箱を開いてみたのである。

そこには、複数の赤いロウソクが、横に並べて、びっしりと入っていた。
20本近くはあったようだ。

「これは?」

思わず、亮生はいずみに聞いてみた。

「ロウソクです。ご主人さまの歳の数だけ揃えました」

そう告げて、いずみはニコリと微笑んだのである。

「なぜ、ロウソクなんかを?」

「これは、バースデイケーキ用のロウソクでございます」

「でも、ケーキなんか、ここには無いじゃないか」

「ご主人さまの目の前にあるのが、このロウソクを使うケーキとなります」

いずみの言葉の意味を、亮生はすぐに察知したのである。
彼はゴクリと息を飲んだ。
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