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没落お嬢さま
第41章 第四十夜
溶けて熱されたロウが、ポトリといずみの肩の上に落ちた。
その途端、いずみは身を引きつらせ、上半身をよじったのだった。

「ああぁ」

と目をつぶり、赤く火照った顔をしたいずみが、悩ましげな声を出した。
亮生はドキリとしたようだ。

「熱かった?」

「は、はい」

「やめようか?」

「いえ、やめないで・・・」

気丈にも、いずみが続行を望んでくれたので、亮生は、やましい気持ちを抱かずに、自分の行為に専念する事にしたのだった。

興奮し始めていた彼は、本心では、すっかり、この行為に魅せられていたのである。
何よりも、元はと言えば、これは、いずみから提案してきたゲームなのだ。

かくて彼は、好奇心を満たす為に、いずみの体の上にロウを垂らし続けたのだった。

いずみは、肌の上にロウがかかるたびに、様々な反応を示したのである。
悶えたり、色っぽい喘ぎ声を出したり、体をくねらせたりした。
それは発情していた時の彼女の様子にも似ていたのだった。
いや、いずみは、熱したロウを浴びながら、本当に性的に興奮しだしていたのかもしれない。

亮生が手を抜かないものだから、瞬く間にロウソクは減っていったのである。
いずみの体の表面も、どんどん、ロウまみれになっていったのだ。

こうして二人は、半分以上のロウソクを使い切るまで、この危ないロウソク遊びを続けたのであった。
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